うたわれるもの全3作をまとめて感想・レビュー 和風な世界観が魅力な戦記物ADV+SPRG
つい先日リメイク版のうたわれるものをクリアしたので何か記事を書きたいなぁとは思ったのですが、リメイク版の感想だけ書くのも何だかなぁ…って事で、うたわれるものシリーズ全3作の感想を書く事にしてみました。
ただ偽り/白皇はプレイから1年以上立ったので、どれだけ記憶を引き出せるか…。
※ネタバレはなるべく控えめで記述。
- 1,うたわれシリーズの主な特徴(3作共通の感想)
- 2,散りゆく者への子守唄 原点にして完成度の高い戦記物
- 3,偽りの仮面 キャラを一新した久々の新作。日常パートは10時間越え余裕
- 4,二人の白皇 偽りの物語を継ぐ完結編。最高の最後へ
- 5,余談や今後の展開
1,うたわれシリーズの主な特徴(3作共通の感想)
うたわれるものは3作通して和風世界をモチーフにした戦記物。 戦争時に導入される戦況図、生活感や世界観構築など個人的には戦国時代を思わせる物が多い。
ADVゲーらしく戦争の描写以外にも感動するスポットも多く抑えており、泣きゲー的な要素もあるゲームかなと思います。
登場人物の多くが獣耳、尻尾の生えた亜人なのも特徴。ゲーム版では感じれる機会が少ないですが、アニメなどでは尻尾の動きが一々可愛いんですよねw。
その他にもオンカミヤリュー族やエヴェンクルガ族など、様々な種族が共存する世界観となっていますね。
戦争パートでは主にSRPGパートが展開。一作品に付き約20~30ステージ程用意されていて、ボリュームはそれなり。(ボリュームは白皇→散り→偽りの順で多い)
ただADV主体の作品と言う事もあってか、難易度はSRPGとしてはかなり低め。
システムはオーソドックスなのでSRPG初心者には取っ付きやすい反面、ある程度SRPG経験がある人には物足りないかもしれませんね。
↑若干暴走気味のエピソードも少なくはないw。
戦争パートの間で広げられる日常パートは日常アニメ色の強い展開になっており、シリアス展開の多い戦争パートの休憩的役割になっていました。何気ないキャラ同士の掛け合いを見ていて、戦争の真っ最中である事を時々忘れてしまう…w。
ただ日常パートは30分近く続く事もあるので、人によっては冗長に感じる要素でもあるかも。自分は偽りを除けば丁度良いバランスかな?と思います。
↑画像は何となく差し替えました。深い意味はない。
一応本作は美少女ゲームに当たるので、恋愛シーンが時々有り。
とは言えシナリオが一本道の作品な為、キャラの個別ルートなどはありません。恋愛シーンも時々あるぐらいで、恋愛ADV色はこの手のゲームにしては薄めに感じましたね。あくまでも戦記物がメインだしなぁ。
なお無印版ではお察しなシーンもあるらしいが、その話は(ry。
2,散りゆく者への子守唄 原点にして完成度の高い戦記物
原点となる一作目は2002年に発売。無印は18禁ゲー&サブタイなし。
無印発売から4年後、アニメ版に合わせてボイス追加や新シナリオが追加された散りゆく者への子守唄がPS2にて発売。その後もPSP版、白皇ベースの再リメイク版と移植回数は図りしれないですね(^_^;)。
本作の記憶喪失を患っている主人公ハクオロが、辺境の村に拾われた所からシナリオが始まる。叛乱をきっかけに政、戦など戦乱の渦に巻き込まれていく展開はやや王道ながらもグイグイ惹きこまれる戦記物でしたね。
終盤はハクオロの記憶にまつわる展開へとなっていくが、今までと毛色の違う展開に戦記物要素ドコイッター?状態でしたねw。ただ話はちゃんと締めてくれたし、毛色の変化が気にならないなら楽しめるのには間違いないです。
戦闘システムはかなり無難感じのSRPG。三作の中でも特にシンプルで取っ付きやすい反面、戦略性の幅は広いとは言い難い感じだったかな。
リメイク版ではレイアウトが3作目ベースになったが、戦闘システムは殆ど一作目のままなので少し物足りなかったかなぁ…。
↑大事な人形を壊され、お怒りのトウカ。
日常パートは時代が時代なので、やや古臭いノリもありますが戦乱の疲れを癒す成分になってかなと思います(^_^)/。
個人的に日常パートで輝いてると思うキャラはトウカとオボロ。トウカはうっかり者な一面、オボロは噛ませ犬ポジション全開で何度もクスッてなりましたねw。
冒頭にも書いたように本作はリメイク、移植がかなり多め。最近発売されたPS4,vita版は2,3作目ベースですがUIの改善、解像度の強化以外はこれと言った変化はないので、プレイは持ってる機種優先でも問題ないかな。
<散りゆく者への子守唄の評価>
シナリオ:A ビジュアル:A
システム:C オリジナリティ:B
快適さ :B ボリューム:C+
クリア時間30時間弱
3,偽りの仮面 キャラを一新した久々の新作。日常パートは10時間越え余裕
無印版からは13年ぶり、アニメ&PS2版を含めても約9年ぶりとなった続編。ゲーム発売直後にアニメ放送とこの手のゲームとしては異例の速さ。
絵は今風になり主要キャラや舞台も一新されたが作風は初代に忠実なので、久々の続編にありがちなギャップの差はだいぶマシな方でしたね。ただネットスラング、BLネタなど人によっては受け付けないネタが増えたのも事実。3作目では色々と察したのかそういった要素はやや減少。
※大した事ではないが偽りの方が二人の白皇より中古価格が高いのは一体…w。流通量の問題なのだろうか?
SRPGパートはキャラ事に技を2,3種類使用可能、固有スキルの追加&3Dモデリングになったりと続編らしい変更点。
しかし戦闘バランスはお世辞に良いとは言えず、終盤に掛けて敵も味方も火力がインフレ化していくので殺られる前に殺れ状態でしたね。
本作をプレイしていて一番気になったのは日常パートの長さ。これが15時間前後は続くので、前半は戦記物なのか疑うレベルでした(-_-;)。一応キャラの掛け合いは普通に楽しいのでギャグアニメのノリとしては楽しめましたがw。
そしてSRPGパートも前作より数が少なく、2~3時間ぐらいADVパートが続く事もザラでしたね(-_-)。
※温泉ネタがやけに豊富だったりと前作よりhネタが多いのは気のせい…w。最初から家庭用版なので色々とやりやすいのかもしれない(適当)
後半辺りからようやく戦争が始まり話が展開されていく訳であるがターニングポイントを迎えた直後にストーリーを終えてしまうのは、かなり気になる所。感覚で言えば、FF7のdisc1でエンディング迎える感じでした。
しっかりと3作目では完結してくれたので、現時点では事前に未完結と知らずに購入しない限りこれといった問題はないかな…と。
余談ですが初代(散りゆく者への子守唄)のキャラクターも多く登場。とは言ってもメイン(新)キャラの出番はあまり奪わないゲストキャラ的参戦でしたね。
※余談ですが、偽りの仮面は序盤のみスクショ可。二人の白皇は終始スクショが撮影可能になりました。
<偽りの仮面の評価>
シナリオ:C ビジュアル:A
システム:C オリジナリティ:B
快適さ :B ボリューム:C+
クリア時間30時間弱
4,二人の白皇 偽りの物語を継ぐ完結編。最高の最後へ
「 偽りの仮面」の未完結から約1年後に発売した完結編。「最高の最後へ」のキャッチコピー通り、前作偽りの仮面から続くシナリオを見事に完結、不十分だったキャラの描写もしっかりされており最終作らしい仕上がりだったと思います。
ただアクアプラスがうたわれ頼みになり、完結したのにブランド酷使になりそうだが…(小声)
↑偽りをプレイしてないと序盤から置いてきぼりに。
シナリオは前作のエンディング直後からスタート。その為最低でも偽りの仮面はプレイ前提ですね。また終盤は初代ネタが多いので、できればそちらのプレイも。
シナリオは序盤から盛り上がり所が意識されており、前作のシナリオの中だるみはほぼ解消されたと言っても過言ではないですね。戦記物らしい展開を意識しており、スケールは一作目にも負けていなかったと思います。
個人的にアンジュが皇女として成長していく過程は必見。中盤までのシナリオはアンジュがもう一人の主人公かなとも思いましたね(*'▽')。
プレイアブルキャラは殆どが前作からの引き継ぎだが、1作目に赤ちゃんとして登場していたフミリィルなどが新規参戦。かなり天然が入った性格で、幼馴染であるクオンなどを困惑させてくるキャラでしたねw。
戦闘は前作ベースなので変化は殆どないですが、問題点であったインフレ気味のバランスはほぼ改善。少なくともエンディングまでは良好なバランスを保ってましたね。
クリア後に掛けてはインフレ気味になってきたが、まぁ中盤の時点でインフレだった偽りに比べれば…妥協点だと思います(^_^;)。その攻撃時に連撃や気力のステータスが表示されるなどUIも改良。
一作目にあった協撃も復活。中には意外なキャラの組み合わせも…w。
終盤に掛けては初代を意識した展開などが多くなり(舞台もトゥスクル中心になる)、三部作を締めくくる大団円に相応しいシナリオ展開になっていく。過去作BGMが存分に使用されているし、使用タイミングもズルい。
中盤辺りまではアンジュやネコネに出番が奪われがちだったクオンも、終盤ではしっかりヒロインらしい仕事をしてくれましたね。
細かい部分では欠点が気になるが、2作目のバトンをしっかり受け継いだシナリオ展開やUI面の改善など完結編に相応しい作品でした。二人の白皇も是非アニメ化して欲しいが社長があまり乗り気ではないからなぁ…。
<二人の白皇の評価>
シナリオ:A ビジュアル:A
システム:B オリジナリティ:B
快適さ :B ボリューム:B
クリア時間40時間弱
5,余談や今後の展開
2年前に完結編が発売されシリーズとしての展開は一旦落ち着くと思いきや、一作目のリメイクや初のアクションゲームなど今後はアクアプラスの柱となる流れになっていきそうですね。
9月発売予定のうたわれるもの斬はキャラモデリングやアクションを見る限りキャラゲーとしては楽しめそうだが…。後は、うたわれのRPGも計画中らしいが、どんな形になるかは今の所さっぱりですね。
※気が向いたらネタバレ有感想でストーリーやキャラの振り返りも書いてみたいなと思うが、文章力ないから多分書けない(^_^;)。