PS4 メタルギアソリッドV ファントムペイン 感想/ゲーム性は過去最高 だが未完成部分をどう見るかで評価がかなり変わる
最近プレイしていたメタルギアソリッドV ファントムペインをクリアしたので、ちょこっと感想。プレイするのは2回目でしたが初プレイした時の感想も込めて書いていこうと思います( ..)φ。
初オープンワールドMGSである事や、例のKONAMI騒動で当時の話題性はかなりの物でしたね。いざプレイすると例の騒動のモロに受けてるなという印象が…
前置きはこの辺にして感想。
- 1,シームレス化によって臨場感の増したアクション性だが…
- 2,PWをベースとした過去最高のボリューム
- 3,復讐をテーマにした終始暗いシナリオと脱ムービーゲーの弊害
- 4,最大の問題点 ぶつ切りで終わるMGS最終作の結末
- 5,その他気になった所 ソシャゲ臭いゲーム仕様も…
- 6,総評
1,シームレス化によって臨場感の増したアクション性だが…
プレイしていてまず感じたのは、過去作に比べて圧倒的に臨場感、アクションの多彩さが増したという事ですね。
フォックスエンジンを採用した事によりグラフィックやモーションなどが劇的にリアルになっています。なおかつ60fpsを維持できているのも凄い。 流石に2015年の作品なので今だとPS4標準という感じで落ち着きますが。
本作で主に進化を感じたのはアクション面とリアリティ面なのでそこを重点に書いていきます。
MGSシリーズの醍醐味と言えば潜入アクション。アクション性が多彩になった事で面白みは更に増しました。主に感じた感想。
・オープンワールド、シームレス化による自由潜入で、360°(場所によるが)好きな方面からの潜入。拠点の設備や兵士の位置などを見極めてどこから潜入するかの楽しみがある。
・戦略が多彩で、麻酔銃やCQCなどの非殺傷プレイ、ライフルや基地にある兵器などを奪って使用する殺傷プレイ、武器の使用禁止や制限を用いた変態プレイなどのプレイヤーの数だけ戦略がある感じ。
でも一風変わったプレイを求めるのは難しくゲームこそはクリアしていけても、プレイヤースキルがかなり試される感じがある。
・敵のAIも過去作に比べるリアルになっている印象。仲間を呼び掛けて二人同時に駆け付けて来たり、遠距離で騒動があったらスナイパーを構えてきたり、プレイヤーの行動に応じて装備を変えてくるなど。 でも慣れたらパターン化するので序盤が一番楽しいに落ち着く。
・動きのもっさり感はほぼなく快適なアクションを行える。
・バディシステムという特定のキャラと協力しミッションを攻略できるシステムを採用しているが、一部のバディが強すぎてヌルゲー化してしまう可能性がある。
とアクション面で見れば正当進化した内容になっている。強い武器から弱い武器まで揃っているので自分のスキルに応じたプレイができるのが嬉しいですね。
↑砂嵐はいつ来るか分からないので有利になる事もあれば不利になる事もある。
シームレスな天候変化や時間変化のおかげで臨場感も大幅UP。
視界が大幅に狭くなる砂嵐、音をかき消す雨、そして交互に訪れる昼と夜。環境に応じたプレイを求められるのは中々やりがいがありますね。
と言いたいところですが、序盤から装備可能な暗視ゴーグルのおかげでプレイヤーだけ大半のデメリットをかき消せてしまうのは少々気になりましたね。(自主縛りする事で環境変化のスリルは充分味わえますが…)
↑やけに広いアフリカ地帯。ある意味リアルか。
↑この用に敵拠点でなくても遭遇する事はあるので油断はできない。
その一方で前評判で期待していたオープンワールドはあまり活かしきれてない印象が強かったですね(-_-;)。
MAPは平地などの特徴のないフィールドが大半を占めていて実際に潜入をするエリアもさほど広くなく、密度の薄さが気になりました。と言っても潜入するエリアのつくり込みは悪くないので(小拠点ばっかりなのは気になるが)単純に練り込み不足感という印象がしっくりきました。
またエリア間の距離が長く移動を強要されるのも一つの欠点ですね。最初は移動区間も警戒しないと行けないというスリルを味わえますが、それ以降はすぐパターン化してしまう。後ミッション開始時のヘリ移動も長い。
2,PWをベースとした過去最高のボリューム
本作は1~4などの一本道を辿っていくスタイルではなく、PWの様なミッションを受諾してこなしていくタイプになりました。(ミッションをこなしていく中でストーリーが展開されていく。)
ミッション内容はバリエーション豊富で、やりこみ性が非常に高い印象でした。ミッションタスクという特定の条件を満たす事で達成される要素もありボリュームの多さは過去最高。一方でストーリー展開の薄いミッションが多かったのは少々気になりますが、マザーベースは忙しいから仕方ない(適当)。
その他、野生動物の捕獲、サイドミッションなどのやり込み要素もありますが、単調だったり、面白みが薄かったりしたのでついでにする事が大半でした。
システム面もPWを継承していて、兵士を集めたり、施設を大きくする事でできる事が増えていく成長要素は自身の軍を強くしていく感じがありますね。
武器や設備を強化するには拠点を拡張、強化する必要があり、そして拠点を強化するには兵士が必要になる。そこで兵士を集める必要があるのですが、これらは潜入ミッション中などで遭遇する兵士をフルトンシステムなどで奪い取る事で集めれる。
しかしこのシステムのせいで兵士の処置の楽しみが大幅に減った感があります。 フルトンシステムは気絶した兵士に使用すると気球で離脱してしまうので、その後の処置に困らない欠点が生まれてしまった。その変わりに目撃されずに回収できるかという楽しみはできましたね。
そして兵士を集めると拠点のレベルが上がり設備の強化や武器の開発が可能になり、できる事が増えていきます。
こうしてマザーベースで開発した装備で戦場を駆け巡る事になる。兵士収集を兼ねれば強い武器を使えていくのはマザーベース拡張のモチベに繋がりますが、現地調達の楽しみがほぼなくなったのが残念だったりしますね。
3,復讐をテーマにした終始暗いシナリオと脱ムービーゲーの弊害
ストーリーは前作のプロローグ的立ち位置であるGZの9年後から始まります。9年と言っても接点はかなり大きいので、一章のシナリオを最大限楽しみたいのであればプロローグのGZをプレイ推奨(後はPWもプレイ前提?できれば3や他作品も)ですね。
後述の問題もあるので、アクションだけ楽しみたいって人にはシリーズ初プレイでも問題ないと思います。 何故一章だけなのかは後述。
シナリオは復讐をテーマにしてるだけあってかなり暗い内容。今まで以上にグロデスクな表現が多い。対象年齢はギリZ回避できたんじゃって思うぐらい。それが暗い雰囲気により没入できるとは思いますが…。
MGSのストーリーはそれぞれ何かしらのテーマに沿った展開が繰り広げられますが、今作も考えさせられる場面はちゃんとありましたね。でも過去作に比べると弱い感じはしますが。
その要因としては表面上でストーリーが語られる事が少なく、カセットテープで補完される事が多いからだと思います。今まで散々ムービーゲー(4は映画のオマケにゲームみたいな感じだった)と言われてた事もあってか、今作はムービー時間はかなり抑えられていましたね。
プレイヤーが操作できる時間が増えたのはいい事ですが、弊害もモロに喰らってしまいましたね。 スネークの言動が少ない事もあってか裏側で物語が動いてばっかりいる気分になってしまう。
一応ムービーシーンは凝っていて映画を見てる気分にはなれます。
4,最大の問題点 ぶつ切りで終わるMGS最終作の結末
オープンワールド化による弊害やストーリーの描写が弱くなった欠点はMGSの変化で失われたものなので仕方ないかなと思いますが、その中で絶許となったのがかの有名な未完成問題ですね。
この未完成部分と言われるのは最終盤の内容で、ここで今までの物語の真相が語られるわけなのですが…。 この真相自体は賛否両論こそはありますが、その語られるタイミングが問題。
何の脈絡もなく唐突にこの真相の話が始まり、オチが語られそのままエンディング。 簡単に言えば「物語が終盤になってきてこれからどういう話になるだろうと考えてて、気が付いたらラスボス倒した後の話になってた」って感じです。(例え下手ですみませんw) つまり納期間に合わないからオチだけ無理やり導入して、制作放棄したって言い方がしっくりきますね。
恐らくMGSシリーズをプレイしてる人程モヤがかかるでしょう(-_-;)。今後その未完部分が補完される可能性は限りなくゼロに近いので…。
5,その他気になった所 ソシャゲ臭いゲーム仕様も…
本作は時系列が1984年でありその当時の世界情勢を取り入れた世界観のゲームでもありますが、上記の様な非現実染みたキャラも登場します。 MGSシリーズではこういったキャラは毎度恒例なので特に気にはなりませんでしたが、非現実要素が要らないって人には若干萎えるかもしれませんね。
何故かオンラインゲームの仕様を取り入れていて、デイリーサービスとかオンライン上の時間が要求されるオンライン開発、ゲームバランスを崩すまでには至らないが課金要素があるのは苦手な人には邪魔な要素。
小ネタが少ない。ない事はないが、無線も面白みのない内容ばっかり。
オセロットが全体的に空気。カッコいい所は時々見れるが空気。
6,総評
メタルギアソリッドとしては間違いなく進化しているのですが、シナリオ未完成のせいでかなり評価を下げてるのが勿体ないと感じる作品でしたね。
1章のストーリーはある程度まとまっていたので、やっぱり開発が長期化して難航してたと思わせてしまう(-_-;)。例のKONAMI騒動がなければこの内容でももう少し点数が高く付いてたかと…。
久々の1日2記事更新になりました。後日気力と記憶があれば、ネタバレ感想スペースをこの記事の最後尾に追記予定です。
〇シームレス、オープンワールド化による圧倒的に進化したステルスアクションやグラフィックなどの技術面、過去最大のボリューム
△脱ムービーゲーによるシナリオの描写不足、やや単調になってしまうゲーム部分
✖未完で終わるシナリオ、邪魔なオンライン要素
クリア時間40時間~50時間 点数8/10